職場復帰前提で産休・育休に入ったけれど、当時と状況が変わり「職場復帰はできなそう…。」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
育休中の退職自体は法律的に問題はありません。
ただ、退職をする時期や退職意向を伝えるタイミングについては注意が必要です。
当記事では、育休中の退職時期別のメリット・デメリット、また退職意向を伝えるタイミングや円満に退職をするための具体的な伝え方(例文あり)について、ご紹介していきます。
育休中の退職を検討している方、ぜひ参考になさってください。
育休中に退職したい。いつ言うべき?
民法においては、いつでも退職の申し入れをすることは可能で、退職の申し入れをしてから2週間すれば、使用者の承諾がなくても会社を辞めることはできます。
とは言え2週間前となると、企業側も人員確保等が間に合わない可能性もあるので、一般的には1~2か月前までに退職を伝える方が多いようです。
また、多くの会社では就業規則において「〇〇日前までに退職の申し入れをすること。」と定めがあるため、事前に就業規則をよく確認しておきましょう。
育休中の退職時期はいつがベスト?それぞれのメリット・デメリット。
育休中の退職といってもいろいろあります。
3つの時期別にメリット・デメリットをまとめましたので、ご自身にあてはめ、どの時期に退職をするのがいいか検討してみてください。
①育休取得中に退職する場合のメリット・デメリット。
夫の転勤、引っ越し、家庭の事情などなど、育休取得中に職場復帰は難しい状況になることもあると思います。
育休取得中に退職をすると、保育園探しなどをする必要もなく子育てに専念できるのが最大のメリットです。「いつ退職を伝えよう…。」というモヤモヤした気持ちから解放されたりといったメリットもありますね。
また、会社側にとっても復帰できない事が早目にわかることで、人員確保やその後のスケジュールの設定がしやすいというケースもあります。(もちろんこの辺りは会社によって様々ですが。)
ただし、一番のデメリットは育児休業給付金が退職日以降は貰えないということです。
また、退職日の設定の仕方によって育児休業給付金の支給額が変わる可能性もあるので、注意が必要です。(詳しくは後述します。)
メリット
- 早々にスッキリとした気持ちになれる
- 子育てに専念できる
- (企業によっては)早めに復帰できない旨を伝えることでスケジュールの設定や人員確保がしやすい可能性もある
デメリット
- 退職日以降は、育児休業給付金がもらえなくなる
- 兄弟が保育園に登園中の場合等、退園となる可能性がある
②育休取得後、職場復帰前に退職をする場合のメリット・デメリット。
育休取得後、職場復帰をせずに退職をする場合です。
メリットとしては、育児休業給付金が満額受給できる点でしょう。
ただし、保育園に兄弟で在園児がいる場合には注意が必要です。
自治体にもよりますが、育休中の兄弟の保育園在園は職場復帰前提のところも多く、復帰をしなければ退園扱いとなってしまうケースがあるためです。お兄ちゃん・お姉ちゃんが保育園に在園中の場合は、注意しましょう。
またそれ以外にも、育休自体が職場復帰前提の制度のため、「復帰をしないで退職をする。」ということに後ろめたさを感じてしまう方も多いです。
とは言え、子供を産まなければ分からないことも多いですし、家庭の事情やその他要因でどうしても復帰ができないという方もいらっしゃいます。
その場合は、申し訳ない気持ちや今までお世話になった感謝の気持ちを添えながら、状況をしっかり会社へ伝えましょう。
退職の意向を伝えるタイミングは、復帰予定日の1カ月~2か月前(※就業規則がそれ以前の場合や業務の引継ぎ等がある場合はそれにならう、または会社に相談するほうがベターかもしれません。)に伝える方が多いです。
また、4月に保育園へ入園する家庭が多いことから、1~2月辺りに状況確認や復職前の面談等が行われる企業もあります。この時期に退職の意向を伝えるのも1つの方法です。
メリット
- 育児休業給付金がしっかりと受給できる
デメリット
- 兄弟が保育園に登園中の場合等、退園となる可能性がある
- 復帰をしないことに気まずさを感じてしまう方も…
③育休取得後、一度職場復帰をしてから退職をする場合のメリット・デメリット。
「ワーママって大変って聞くけれど、実際にやってみなければ分からない!」
「(産休取得から)1~2年経って、会社も変わっているかもしれない…。」
そんな方は、一度職場復帰をしてみるのもいいでしょう。
ワーママと一口に言っても、職場環境、業務内容、家庭の状況、お子さんの性格、自身の育児や仕事への考え方…あげればきりがありませんが、悩みは本当に千差万別です。
一度復帰をしてみて、体験をしてみて、それでも難しいと判断したら退職(転職)をするというのも一つの方法です。
1つ懸念点としてあるのは、仕事と育児との両立で忙しく、退職(転職)を考える余裕や時間が無くなるという可能性もあります。
自身の考えや次の行動の選択肢を育休中に考えておくと良いかもしれません。
退職を伝えるタイミングは、就業規則や抱えている業務の状況、引き継げる方がいるのかどうかなどの状況にもよりますが、やはり退職希望日の1カ月~2か月前に伝える方が多いようです。
メリット
- 育児休業給付金がしっかりと受給できる
- 仕事&育児の生活を実際に体験してから、退職を判断できる
デメリット
- 忙しすぎて退職(転職)等を考える余裕がなくなる可能性も…
育休中でも円満退社をするための退職理由と伝え方。【例文あり】
退職をするのであれば、できれば円満に退職をしたいですよね。
育休中でも円満に退職をするコツを3つご紹介します。
① 相手に「仕方ない。」と思ってもらえる退職理由をしっかりと準備しよう。
② 退職を伝える際は、電話やメールだけは極力避けよう。
③ 今までお世話になった【感謝の気持ち】と職場に戻れなくて【申し訳ない気持ち】をきちんと伝えよう。
①相手に納得してもらえる退職理由を伝えよう。【例文あり】
退職理由は、相手に納得してもらえるように、きちんと伝わるようにしっかりと準備をしましょう。
「どうしても本当の退職理由では納得してもらえそうにない…。」という方は、嘘でもOKです。
バレやすい嘘は避けたほうがいいですが、相手を嫌な気持ちにさせずに話を進めることができるのであれば、少し理由を脚色するのも良いでしょう。
よくあるのは「保育園に入れなかった。」という理由です。
「待機児童問題は解決した。」なんて話も最近耳にしますが、今でも「希望園に入れなかった。」という家庭は多いです。(園庭がある園がいい。復帰を考えると、自宅から〇分以内の園がいい…などなど。)
そこまで詳細に伝える必要はないと思いますが、「保育園に入園できなかった。」と聞けば、ほとんどの人は納得してくれるでしょう。
その他、参考までによくある退職理由も以下にご紹介します。ご自身の状況に置き換えて、この辺りをMIXさせてみるといいかもしれません。
「どうやって伝えたかいいかわからない!」という方向けに例文もご紹介します。
気になる方は参考にしてみてください。
お忙しいところお時間いただき、ありがとうございます。
〇月から復帰の予定ではありましたが、退職をさせていただきたいと考えております。
というのも、子供はとてもかわいいのですが、思っていた以上に育児が大変で、仕事との両立が自身には難しいと感じております。
家族も当初は仕事復帰に賛成してくれていたのですが、今は育児に専念してほしいということも言っており、何度も話し合い、考えたのですが、このような判断に至りました。
急な申し出となってしまい、大変申し訳ございません。
また、産休育休中はいろいろとご配慮いただいておりましたのに、このような形になってしまい、大変申し訳なく感じております。
・・・
今までお世話になり、本当にありがとうございました。
②退職を伝える際は、電話やメールだけは極力避けよう。
本来退職を伝える際は、電話やメールだけではなく、直接直属の上司に伝えた方がいいでしょう。
ただ育休中の場合、今まで所属していた部署ではなく、総務や人事など別部署に所属になる企業も多いと思いますし、小さいお子さんがいる中で出社をするのが難しい…という方もいらっしゃると思います。
その場合は、上長(または育休担当の方など)に、まずは電話で連絡をしましょう。そしてその際に「電話での連絡になってしまい、申し訳ございません」ということも併せて伝えましょう。
③今までお世話になった【感謝の気持ち】と職場に戻れなくて【申し訳ない気持ち】をきちんと伝えよう。
退職を伝える際は、今までお世話になった感謝の気持ちと、職場復帰に向けて準備をしてくれていた担当部署の方や、待っていてくれた同僚、上長などに対して申し訳ないという気持ちもしっかり伝えましょう。
育休中に退職する際の注意点。【必読】
育休中に退職をする際の注意点についてご紹介します。
①育休中に退職しても失業手当が受給できる可能性有り!手続きを忘れずに。
育休中に退職をしても、ある一定の期間内であればまた再就職を目指すタイミングで失業手当を受給できる可能性があります。
失業手当は、あくまで再就職を目指している方向けに支給されるものなので、出産や育児で現状働くことができない方は支給対象から外れてしまいます。
しかし、そういった方は失業手当の受給期間の延長手続きをすることで、再び就職をしようと思い立ったタイミングで失業手当を受給できる可能性があるのです。(受給期間は、離職日の翌日から最長4年以内まで延長することが可能です。)
数年以内に再就職をする可能性がある方はぜひ要件をチェックしてみてください。
②育休中に退職する場合、退職日によっては育児休業給付金の額が減る可能性有り。
退職をすると、育児休業給付金の支給がなくなります。
育児休業給付金は、日割の考え方がないため(支給単位は月単位)、退職日が1日ずれるだけで1カ月分育児休業給付金の支給額が変わることもあります。
会社側で退職日は毎月●日のみと決められいてるケースもあるため、上手く日の設定できない可能性もありますが、もし希望がある程度通せるようであれば注意してみてください。
例)育児休業開始日が4月10日のケース(月の10日~翌月9日が支給単位期間。)
10月8日に退職した場合:8月10日~9月9日までの支給単位期間まで支給
10月9日に退職した場合:9月10日~10月9日までの支給単位期間まで支給
③兄弟が保育園に通園中の場合、退園になってしまう可能性有り。
兄弟がすでに保育園に在園している場合、「育休中の在園は職場復帰が前提。」という自治体も多いです。
この場合、同職場へ復帰をしなければ退園になってしまいます。
ちょうど小学校に上がるタイミングや幼稚園に転園ができる…ということであれば問題ないですが、そうでない場合は困ってしまいます。
この辺りは、自治体によってもルールや条件が異なるのでお住いの地域の自治体によく確認をしておきましょう。
④また働きたいと思っても再就職が難しい可能性も0ではない。
何か特別なスキルや資格などがない場合、一度ブランクが空いてしまうとまた働きたいと思っても再就職がなかなか難しい可能性もあります。
後悔しないためにも、じっくりと自己分析をし、今後のリスクと今退職するメリットを天秤にかけてみましょう。
⑤教育資金の準備など、これからかかるお金の用意は問題ないか再確認。
子供を育てるのってお金がかかりますよね。
習い事1つさせるにも、毎月5,000~10,000円はかかるものが多いのではないでしょうか。
また、「高校・大学へと進学をさせたい。」と考えている場合、進学費用の準備もしておく必要があるでしょう。
自身が退職をしても、この辺りの資金の準備はできそうか再度確認をしてみましょう。
「この低金利の時代、どうやって教育資金を貯めていくのがいいのだろう…。」「いつまでにいくら貯めておけばいいのかな?」という方は、プロからの話を聞いてしまうのが一番手っ取り早いです。
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まとめ│育休中の退職はいつまでに伝えるべき?
以上です。
育休中に退職をするのって、ちょっと伝えるのが気まずかったり、億劫だったり…しますよね。
でも退職はやむを得ないこともたくさんあります。
はなから退職をするつもりで育休に入ったのであれば問題ですが、大切な家族が1人増えたんですから考えや家庭の状況が変わることは大いにあるのでしょう。
ぜひ自分や家族にとってベストな選択ができるよう、じっくり検討してみてください。
以上、最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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